暗号資産（仮想通貨）の重要なマイルストーンの総覧：世界経済の不可欠な部分に

ビットコイン（Bitcoin/BTC）が2008年の金融危機のさなかで誕生して以来、2018年に19,700ドルという新たな史上最高値を記録するまで、仮想通貨は過去10年間で最も急速に成長し、最も高いパフォーマンスを示した資産クラスとなりました。数多くの批判を経て、仮想通貨市場はここに定着することを証明しました。ようやく世界的に新たな資産クラスとして認知された仮想通貨は、世界の金融システムに不可欠な存在になりつつあります。もちろん、まだ多くの課題が残されていますが、その道のり全体は世の中に衝撃を与える目覚ましいものでした。

2000年代～2025年の主なマイルストーン

2000年代：ビットコインの誕生

● 2008年〜2009年：ビットコインネットワーク

● 2010年：ビットコインピザデー

2011年〜2014年：その他のすべての始まり

● 2011年：最初のアルトコイン

● 2012年：ビットコインの最初の半減期

● 2013年：最初のICO

● 2014年：最初のNFTとステーブルコイン

2015年〜2018年：仮想通貨の台頭

● 2015年：イーサリアム（Ethereum/ETH）の誕生

● 2016年：DAOハック

● 2017年：ICOの年

● 2018年：ビットコインが史上最高値19,700ドルを記録

2019年〜2025年：世界経済の不可欠な部分に

● 2019年：規模拡張期ビットコインの取引数が4億件に到達

● 2020年：ブラック・サーズデー（市場の大暴落）が発生した年でしたが、DeFiのTVLは100億ドルを突破した

● 2021年：DeFi、NFT、メタバースの爆発的成長、ビットコインは7万ドルに迫る

● 2022年：仮想通貨の暴落、イーサリアムはPoSに変わった

● 2023年：規制の明確化

● 2024年：ETFの年。ビットコインは10万ドルの大台を突破

● 2025年（8月まで）：実現可能性から普及へ、ビットコインは124,000ドルを突破

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2020年：DeFiサマーとブラックサーズデー

Compoundのイールドファーミングは2020年半ばにDeFiブームを巻き起こし、Yearn、Uniswap、SushiSwapなどのプロトコルにより、預かり資産（TVL）は年末までに10億ドル未満から100億ドル以上に増加しました。高い利回りと新しいガバナンストークンは、スマートコントラクトのリスクがあるにもかかわらず、熱狂を巻き起こしました。イーサリアム・Beacon Chain（イーサリアム2.0のフェーズ0、別名イーサリアムPoS）は12月1日にローンチされ、イーサリアムにプルーフ・オブ・ステーク（PoS）を導入しました。アップグレードを有効にするために524,000を超えるETHがステークされ、イーサリアムのPoWからPoSへの複数年にわたる移行が開始されました。

一方、2020年3月のブラックサーズデーの暴落は、仮想通貨の回復力を浮き彫りにしました。COVID-19のパニックの中、ビットコインは3月12日に50%急落し、ETHも同様に暴落し、数十億ドルのポジションが清算されました。この極端なボラティリティ（ブラックサーズデーと呼ばれます）は市場を震撼させましたが、その後迅速な回復を遂げ、5,330ドル水準を再び下回ることはありませんでした。法人投資家は「デジタルゴールド」の物語に惹かれてビットコインに殺到し、マイクロストラテジーは当時、21,454 BTCのビットコイントレジャリーを保有する最初の企業となりました。

2021年：NFTブーム

2021年2月、Teslaもこれに続き、15億ドル相当のビットコイン購入を明らかにし、BTCでの支払いを受け入れる計画を発表し、仮想通貨が企業のトレジャリー資産であることを実証しました。その後、Coinbase（COIN）は、IPOを実施した最初の大手仮想通貨取引所として、NASDAQへの直接上場を通じて860億ドルの評価額で株式を公開しました。これらは、4月にビットコインが64,863ドルの史上最高値（ATH）を記録した主な要因でした。

その年の主要テーマはNFTで、デジタルアーティストのBeepleによるNFTアート作品がクリスティーズで6,930万ドルで落札されました。これは、CryptoPunksやBored Apesなどの有名企業と並んで、NFTが主流に躍り出るきっかけとなりました。一方、エルサルバドルがビットコインを法定通貨として採用する法律を可決し、国家レベルでの初めてのビットコイン採用が実現したことは、史上最大の賭けとして世界中を驚かせました。

Bored Ape Yacht ClubがOpenSeaで史上最高の売上を達成。出典：OpenSea

2021年11月、ビットコインは再び最高値の68,790ドルに達し、イーサリアムは4,892ドルに達しました。両者とも、仮想通貨の時価総額の新たな最高値達成に貢献し、史上初めて3兆ドルを超え、2020年から2021年の強気サイクルのピークとなりました。

2022年：仮想通貨の暴落

2022年3月、Lazarus Groupというハッカー集団がRonin Network（Axie Infinityのサイドチェーン）を悪用し、ETH/USDCで約6億2,500万ドルを盗みました。この盗難事件は仮想通貨史上最大規模の一つであり、GameFi業界に衝撃を与え、ブリッジのセキュリティに対するより厳しい監視を促しました。

そして5月、アルゴリズム型ステーブルコインTerraUSDがデペッグされてセントまで暴落し、LUNA（現在のLUNC）トークンの価値が吹き飛んだため、Terra（LUNA）の時価総額は160億ドルから暴落しました。この暴落により、約400億～500億ドルの市場価値が蒸発し、より広範な仮想通貨信用危機を引き起こしました。

両事件はCeFiの基盤を揺るがし、2022年6月、7月、8月にわたり業界全体に波及効果をもたらしました。Celsius、Three Arrows Capital、Voyagerなど、大手の仮想通貨貸し手やファンドが破産を申請しました。

最も大きな打撃を受けたのはFTXでした。同取引所の崩壊は、2022年前半の暴落により深刻な影響を受けていたAlameda Researchとの緊密な関係が報道された後、流動性危機によって引き起こされました。顧客が資金を引き出すために殺到した際、FTXはユーザー預金を秘密裏にAlamedaに貸し出し、投機的な取引に充てていたため、需要に対応できませんでした。取引所は急速に崩壊し、破産、規制当局の調査、そしてCEOのSam Bankman-Fried氏が詐欺の容疑で逮捕される事態に至りました。

この混乱の中、多くの人がイーサリアムの「マージ」が実施されたことを見落としていました。このマージにより、チェーンはついにプルーフ・オブ・ステーク（PoS）コンセンサスに移行しました。その結果、イーサリアムのエネルギー消費量は99.9%削減され、イーサリアムのロードマップはスケーリングに焦点を移すことになりました。

イーサリアムのコンセンサスは2022年からPoSに変更されました。出典：イーサリアムエネルギー消費量

2023年：規制の明確化

2023年3月には銀行業界の混乱とデペッグが起こりました。シルバーゲート銀行とシグネチャー銀行（仮想通貨に友好的な米国の銀行）は、銀行破綻の拡大の中で破綻しました。CircleのUSDCステーブルコインは、その準備金の33億ドルがシリコンバレー銀行に滞留していたときに一時的に0.88ドルに下落しましたが、米国の規制当局がSVBを支援した後に回復しました。

EU議会は4月20日、MiCA（仮想通貨市場規制）を承認し、EU諸国にわたり画期的な規制枠組みを確立しました。MiCAはライセンス、準備金、開示基準を設定し、世界初の包括的な規制制度となりました。ステーブルコインに関する規則は2024年6月に発効し、2024年12月にはより広範な規定が施行される予定です。

米国では法的な紛争が中心でした。SECは、Binance（6月5日）とCoinbase（6月6日）を、未登録の取引所の運営と未登録の証券の提供で告発しましたが、GrayscaleとRippleに対しては敗訴しました。8月29日、D.C.巡回控訴裁判所はSECのGrayscaleの現物ビットコインETF申請却下を破棄し、却下を「恣意的で不合理」と指摘しました。この法的勝利は、米国で現物ビットコインETFがようやく承認されるという自信を高めました。これはSECによる長年の拒否の後、劇的な逆転です。実際、この判決は2024年の承認が間近に迫っていることを示しました。1か月前、連邦裁判所の判事は、公開取引所でのXRPの販売は証券ではないとの判決を下し、Rippleにとって部分的な勝利となりました。

2024年：ウォール街の現物ビットコインETF + ビットコイン半減期 = 10万ドル

画期的な転換として、SECは1月10日、13の現物ビットコインETFの上場を承認しました（これは裁判での敗訴と業界による数年にもわたるロビー活動を受けての決定でした）。BlackRockやFidelityなどの企業はETFをローンチし、米国投資家は年明け最初の数日で直接ビットコインに投資できるようになったのです。さらに下半期に入ると、米国初の現物イーサリアムETFが予想外に登場したものの、ビットコインほどの投資家の関心は集められていないようでした。

2024年3月は、L2手数料を削減するDencunアップグレードでイーサリアムのショータイムとなる一方、4月のブロック#840,000での4回目のビットコイン半減期に注目が集まっていました。ビットコインのブロック報酬は6.25 BTCから3.125 BTCに減少し、ビットコインのプログラムされた希少性が再び浮き彫りになりました。

EUのMiCA規制は2024年6月30日にステーブルコイン発行業者に適用され、2025年1月までに取引所やその他の仮想通貨サービスにも全面的に適用される予定です。2024年末までに、MiCA規制はEU全体で完全に適用され、すべての仮想通貨サービスプロバイダーが対象となりました。業界関係者はコンプライアンスコストの増加を指摘する一方、EU市場に対する法人投資家の信頼が高まったと指摘しています。

2024年11月、トランプ大統領は米国大統領選挙に勝利し、「仮想通貨を再び偉大なものにする」という公約をホワイトハウスに持ち込み、仮想通貨の早期導入者に業界の価格上昇への大きな期待を与えました。ビットコインは12月に初めて6桁の最高値を記録しました。

2025年（8月まで）：BTC価格124,000ドル

PayPalのUSDステーブルコイン（PYUSD）の採用が鈍化している中、PayPalは2025年4月、PYUSDの流通量が約8億6,800万ドルだった時点で、保有者向けに3.7%の利回り報酬を発表しました。その後、米大統領選挙と規制当局の交代を背景に、SECは主要な取引所であるBinance、Coinbase、Krakenに対する訴訟を撤回しただけでなく、Rippleに対する控訴も取り下げました。この方針転換は、より業界に優しいアプローチを示唆し、政治的変化によって仮想通貨の規制が緩和される可能性があるという憶測を裏付けています。

7月、米国議会は、ステーブルコインの支払いに関する米国初の連邦枠組みであるGENIUS法案を可決しました。大手銀行や大手販売業者/テクノロジー企業は、米ドル建てステーブルコインを発行したり提携したりする計画を示しました。同じ頃、ビットコインは7月14日に123,092ドルを急騰し、8月14日に新たな史上最高値124,000ドルに達しました。

ビットコインは、時価総額でAlphabet（グーグル）を抜き、5位の大規模資産となりました（2025年8月14日現在）。出典：企業の時価総額

まとめ

2008年の金融危機中にビットコインが控えめに始まって以来、2025年に124,496ドルに達するまで、仮想通貨のエコシステムは実験的なデジタル通貨から、法人投資家、政府、個人投資家から同様に尊敬を集める正当な資産クラスへと進化しました。この道のりは、目覚ましい成功と壊滅的な崩壊、規制の不確実性と画期的な承認、そして技術革新とセキュリティの失敗によって特徴づけられてきました。

最も顕著なのは仮想通貨の回復力です。Mt.GoxからFTXに至るまでの各危機は、当初は全体的なエコシステムを脅かすように見えたものの、市場は常に強固で成熟した形で回復してきました。インフラがより強固になり、規制がより明確になり、その両方がより幅広い機関の参加を促しました。ウォール街のビットコインETF、エルサルバドルの法定通貨採用、MiCAのような包括的な規制枠組みは、仮想通貨が技術愛好家の投機的ツールという初期のイメージを超越したことを示しています。

今後を見据えると、グローバルな金融システムへのさらなる統合の基盤が整いつつあります。大手企業がバランスシートにビットコインを保有し、伝統的な銀行が仮想通貨サービスを提供し、政府がデジタル通貨の開発を進める中、仮想通貨が存続するかどうかではなく、今後数十年間で金融、技術、社会をどのように変革し続けるかが問われる時代となっています。最初の10年は存続可能性を証明する時代でした。次の10年は、お金そのものの未来を定義する時代となるでしょう。

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