仮想通貨市場が月曜に逆方向へ動いたことを受け、10日後に迫る10月にラリーが訪れるのかどうかをめぐり論争が起きている。
コイングラスによると、 2013年以降12回のうち10回はビットコイン（BTC）が10月に上昇しており、このため「Uptober」と呼ばれてきた。
2018年以来、10月に下落したことはなく、この年は3.8％の下落にとどまった。強気相場だった2017年と2021年の10月には、それぞれ48％と40％の上昇を記録した。
今回の強気相場でも同様の急騰が起きれば、現在水準から来月には16万5,000ドル近辺まで上昇する可能性がある。
「Uptober」を支持するシグナル
ビットコイナーのカイル・シャッセ氏は月曜、来月の米連邦準備制度理事会（FRB）による追加利下げの確率が92％に上昇していると 指摘した 。CME先物の予測によるものだ。シャッセ氏は「緩和サイクルはほぼ織り込まれており、流動性が供給されつつある。これはビットコインや仮想通貨にとっての燃料だ」と述べた。
アナリスト「Sykodelic」氏は月曜、市場は10月の急騰前にさらに下げると予測した。
「しばらく前から言っているように、11万2,500ドルが水準だ。そこに到達すれば、利下げを唱える人々が弱気に転じ、市場の天井を語るだろう」と述べた上で、
「これを通過すれば、新高値へと向かい、市場を熱狂へ押し上げる最後の爆発的局面が始まる」
一方、ビットメックス共同創業者アーサー・ヘイズ氏は、米国財務省が一般勘定を8,500億ドル超に積み上げたことで「流動性の吸収が完了した。これで上昇一辺倒が再開できる」と土曜にXで発言した。
控えめな上昇を見込む声も
ただし一部アナリストは熱狂に警鐘を鳴らしている。
暗号資産取引ソフト提供会社シグナルプラスのインサイト部門責任者オーガスティン・ファン氏は「極めて低いインプライド・ボラティリティと弱まるDAT流入モメンタム、そして上値で売却を狙う投資家の存在を踏まえると、BTCの上昇は限定的になると予想している。新たな史上最高値に到達するには長期投資家はより忍耐強くある必要がある」と述べた。
BTSE取引所の最高執行責任者ジェフ・メイ氏も「マクロ経済の不透明感、さらに9月に市場が下落しなかった事実を踏まえると、今年はUptoberの傾向が現れる可能性は低いと考えている」と述べた。ただし「FRBがより積極的な景気刺激策を示せば状況は変わる可能性がある」とも付け加えた。
月曜に仮想通貨市場が下落
仮想通貨市場は月曜朝から後退を始め、時価総額は数時間で800億ドル減少した。ビットコインは11万4,270ドルと12日ぶりの安値を記録した。
イーサリアム（ETH）も打撃を受け、4,300ドルを下回って4％以上下落し、2週間ぶりの安値となった。
