速報 Bulk：Solanaの最新Perp DEXベット？

資金調達ニュースがSolana公式Twitterでリツイート、Bulkは分散型パーペチュアル取引所のゲームチェンジャーとなるか？

執筆：Alex Liu，Foresight News

2025年9月24日、SOLエコシステムの分散型パーペチュアル取引所Bulkは、800万ドルのシードラウンド資金調達を完了したと発表し、このニュースはSolana公式Twitterでリツイートされた。

資金調達の詳細

今回のラウンドは6th Man VenturesとRobot Venturesが共同リードし、Wintermute、Big Brain Holdingsなどの機関やSolana共同創設者のAnatoly Yakovenkoらが参加した。

これは2024年8月に完了した50万ドルのエンジェルラウンドに続く新たな資金調達となる。投資家はBulkチームがCEXレベルのパフォーマンスと分散化のバランスを実現する可能性に大きな期待を寄せている。6th Man VenturesのマネージングパートナーであるMike Dudasは、BulkがSolanaエコシステムでリーディングなパーペチュアル取引プラットフォームの一つになることを期待していると述べた。

プロトコルの仕組み

Bulk Trade（略称BULK）はSolanaブロックチェーン上に展開された分散型パーペチュアル取引プラットフォームであり、ユーザーに中央集権型取引所に近い高性能な取引体験を提供しつつ、分散性と検閲耐性を維持することを目指している。

プロジェクトのビジョンは「ワンストップ取引所、無限のマーケット」（One Exchange, Infinite Markets）と要約され、あらゆる取引市場への包括的な対応を強調している。Bulkは組み込み型マッチングレイヤーの革新的なアーキテクチャを通じて、「コロケーション級」（colocation-grade）のマッチング性能を実現しつつ、分散化・検閲耐性・アクセス権限などのコア原則を損なわないことに注力している。

プロトコル設計の観点から、BULKの重要なイノベーションの一つはマッチングエンジンをSolanaバリデータノードに統合した点である。BulkチームはSolanaバリデータクライアント（jito-agaveベース）をフォークし、Bulk-Agaveと呼ばれるクライアントを開発、その内部にBulk-Tileと呼ばれるマッチングサイドカー（sidecar）を統合した。

このアーキテクチャでは、ユーザーが送信した注文はSolanaの通常のトランザクションキューを経由せず、Bulk-Tile内部で直接処理される。これにより、マッチングは約20msの非同期サイクルで完了し、約40msで即時取引ファイナリティ（finality）を実現できる。取引全体は通常のガス手数料が不要（gasless）で、プラットフォーム独自のマッチング手数料のみが発生する。また、Bulkは非常に高いスループットを達成しており、毎秒数百万件規模の注文マッチングをサポートするとされている。この設計により、Bulkはマーケットメイカーや高頻度トレーダーにも極めて低遅延かつ高精度な価格決定環境を提供する。

取引の公平性を確保するため、Bulkはマッチングプロセスで厳格な先入れ先出し（FIFO）原則を採用し、暗号化されたソートキーを用いてフロントランニングやリオーダーのリスクを排除している。ユーザーは注文送信時に追加のネットワーク手数料を支払う必要はなく、プラットフォームの取引手数料のみが発生する。

すべてのユーザー資産は常にSPLトークンの形でSolanaチェーン上に保管され、ユーザー専用のプログラマブルアカウントに格納されるため、クロスチェーンブリッジや外部ネットワークを経由する必要がなく、クロスチェーンリスクや断片化の問題を回避できる。Bulkはその取引システムについて「専用シーケンサーなし、クロスチェーンブリッジなし」（No sequencers. No bridges.）を強調し、分散型設計思想を体現している。

Bulkのアーキテクチャはリソースインセンティブの面でもSolanaネットワークと好循環を築いている。ユーザーがBulkで取引する際、取引手数料の一部（プロトコルで12.5%と定義）がBulk-Agaveクライアントを運用するバリデータノードに還元される。この仕組みにより、Bulkノードを運用するバリデータは追加収益（年率で約1～2%の向上が見込まれる）を得ることができ、Solanaバリデータネットワーク全体の経済的インセンティブが強化される。Bulkチームは、この仕組みがより多くのバリデータのBulk運用参加を促し、Solanaエコシステム全体のリターン向上にも寄与すると考えている。

BULKは自らの取引プラットフォームを「ブロックレス、リーダーレス、グローバル分散型リミットオーダーブック取引所」（block-less, leader-less, geographically distributed CLOB exchange）と称している。つまり、Bulkは中央集権的なマッチング役割に依存せず、分散型のSolanaバリデータクラスタによって共同で維持され、単一障害点や取引検閲のリスクを回避している。この分散型設計と高速なマッチング性能により、Bulkは機関投資家と個人投資家の双方の高性能市場ニーズを満たしつつ、分散型取引所のセキュリティとオープン性を維持できる可能性がある。

チーム情報

Bulkのコアチームは小規模で、イギリスに本拠を置いている。共同創設者兼CEOのKobie McGlashanはブロックチェーン分野で豊富な起業経験を持ち、ブロックチェーン人材紹介会社の創業やSolanaプロジェクトアクセラレーターSuperteamUKの設立にも関わった。

CTOのJunaid Peerは経験豊富なブロックチェーンエンジニアで、少年時代から初期の暗号プロジェクト開発に携わってきた。

参加方法

現在、BulkはAlphanetテストネットを公開しており、ユーザーは公式リンクから試すことができる。テストネットではBTC/USD、ETH/USD、SOL/USDなどの主要資産ペアのパーペチュアル取引（最大20倍レバレッジ対応）が可能。参加者は一般的なSolanaウォレットを使い、対応するSPL資産を入金するだけでシミュレーション取引を開始でき、クロスチェーンブリッジや追加アカウントは不要。

Bulkは開発者向けのドキュメントやAPI（CCXT、FIXなどのインターフェースを含む）も提供しており、各種トレーダーや機関がテスト環境に迅速に接続できるようになっている。チームはまた、公式SNSチャンネルをフォローして最新情報やガイドを入手することを推奨している。