歴史的な売り圧にもかかわらず、暗号資産投資への流入額は31.7億ドルに達する

• 暗号資産ファンドが31.7億ドルの純流入を記録
• 過去最高の清算により10億ドル規模の強制決済が発生
• 2025年の累積フローは487億ドルに到達

先週、CoinSharesのデータによると、暗号資産投資商品は世界全体で31.7億ドルの純流入を記録しました。この動きにより、年初来の合計は487億ドルとなり、市場の混乱にもかかわらず過去最高を更新しました。

米国大統領による中国への関税措置の脅威を受けて価格は調整されましたが、資本流出の影響は限定的でした。

「米国の対中関税措置による大幅な価格調整にもかかわらず、金曜日の反応はほとんどなく、1億5900万ドルというごくわずかな流出にとどまりました。」

とCoinSharesのリサーチ責任者James Butterfill氏は、月曜日に発表したレポートで述べています。

デジタル資産の上場投資商品（ETP）の取引高も過去最高を記録し、週で530億ドルに達しました。これは2025年の週平均の2倍以上です。金曜日だけでも153億ドルのデイリートレードが行われました。それでも、運用資産総額（AUM）は最近のピークから約7%減少し、2420億ドルとなりました。これは関税措置による混乱の影響を受けた結果です。

最大の清算が発生した日には、少なくとも200億ドル相当のポジションが消滅し、一部の暗号資産は一時的にゼロ価値にまで下落しました。これは米ドル換算で歴史的な売り圧力となりました。しかし、公式データは著しく不正確であり、Bybitは完全なデータを公開している一方、BinanceやOKExのようなプラットフォームは高いボラティリティ時に過少報告する傾向があり、実際の清算額はさらに高い可能性があります。

それにもかかわらず、主要な暗号資産は一定の耐性を示しました。Bitcoinは今週約6.8%下落し、Ethereumは約8.3%下落しましたが、市場は広範なパニックを引き起こすのではなく、価格の再調整を目指したことが示唆されます。

地域別では、米国拠点のプロダクトが30.1億ドルの純流入で主導しました。ヨーロッパでは、スイスとドイツ拠点の暗号資産ファンドも好調で、それぞれ1億3200万ドルと5350万ドルの流入がありました。一方、ブラジル、スウェーデン、香港などの市場では資本流出が見られました。

資産タイプ別では、暗号資産株式ファンドが最も好成績を収め、26.7億ドルを調達し、年初来合計は302億ドルとなりました。米国の現物Bitcoin ETFは27.1億ドルの流入を記録し、金曜日の流出は最小限にとどまりました。現物Ethereum ETFは週で4億8820万ドルを調達しましたが、最もボラティリティの高い日には1億7490万ドルの流出が発生しました。

一方、SolanaおよびXRPに連動するETPも、それぞれ9330万ドルと6160万ドルの流入を記録し、暗号資産市場内での分散投資への継続的な関心を反映しています。