香港企業がTether Goldとbitcoinマイニングに2億ドルを投資

香港上場企業のDL Holdings Group Limitedとデジタル資産金融サービスプロバイダーのAntalphaは、デジタル資産市場の2つの異なる分野にわたる最大2億ドルの投資を含む戦略的パートナーシップを発表しました。

この取り組みは、ゴールド資産のトークン化とBitcoinマイニングインフラの拡大に焦点を当てたデュアルトラック戦略で構成されており、両社はこれを伝統的な金融とデジタル経済を結びつける試みと説明しています。

ゴールドトークン化推進：XAU₮への1億ドル投資

新たなパートナーシップの一環として、DL HoldingsはTetherが発行し、物理的なゴールドが安全な金庫に保管されているトークン化ゴールド資産「Tether Gold（XAU₮）」を取得・配布する計画です。

香港上場企業である同社は、今年初めに行った500万ドルの初期投資に加え、今後12か月間で最大1億ドルをXAU₮に投資する意向を示しています。

トークン化ゴールドのグローバル市場規模は現在30億ドルを超えており、より広範な実世界資産（RWA）トークン化分野の中で最大のセグメントとなっています（RWA市場全体は約250億ドル）。

一部の市場予測によれば、機関投資家による導入が進めば、RWA市場は2030年までに大幅に拡大し、総価値が数兆ドルに達する可能性があります。

しかし、伝統的な金融機関による導入は依然として限定的です。JPMorganや他の業界アナリストの調査によれば、RWA活動の大部分は依然として暗号資産ネイティブ企業によって推進されています。

新たなパートナーシップの下で、Antalphaは自社のRWA Hubプラットフォームを通じて流動性、カストディ、レンディングサービスを提供すると述べています。また、投資家のゴールド償還を容易にするため、複数の法域で金庫を設立する計画もあります。

Bitcoinマイニング拡大：ハッシュレート成長への1億ドルコミットメント

DL Holdingsは今後1年間でBitcoinマイニング事業の拡大にも1億ドルをコミットしています。同社は、業界をリードするマイニング機器メーカーであるBitmainから約3,000台のAntminer S21ユニットの取得を最終段階にあると述べています。

現在の運用に基づき、これらのマシンは年間約350BTCを生み出すと予測されており、中期的な目標として年間約1,500BTCの生産を目指しています。DL Holdingsはこれまでにもマイニングインフラへの投資や、今回の拡大を支えるための高性能機器の追加取得を行っています。

Antalphaは、マイニング事業に対して資金調達、技術アドバイス、リスク管理サポートを提供する予定です。同社はBitmainとの独占的パートナーシップを維持しており、ハードウェア供給やマイニング関連の専門知識へのアクセスを提供しています。

戦略的背景：アジア全体のトレンドの一部

アナリストによれば、このパートナーシップはアジア全体のより広範なトレンドと一致しています。上場企業はデジタル資産戦略を事業に組み込む動きを強めています。

日本やアジアの他の地域では、複数の上場企業が「Bitcoin Treasury Strategies」を採用しています。これらの戦略は、BitcoinやBitcoin連動商品を保有資産に加えることで、ポートフォリオの多様化やバランスシートの強化を図るものです。

特に日本は大きな潜在市場を示しています。

「日本の家計は合計で15兆ドル以上の貯蓄を保有しており、そのほとんどが現金や銀行預金で、リターンは最小限です。わずか1％がBitcoin連動資産にシフトするだけで、約1,500億ドルの潜在的需要となります」とアナリストのTradesQuantumは述べています。

しかし、日本の機関投資家および個人投資家の双方は、そのボラティリティのためにBitcoinへの直接的なエクスポージャーには慎重な姿勢を保っています。

その代わりに、一部の投資家は、5～6％の固定利回りを提供するBitcoin担保債券や優先株式などのストラクチャード商品を好んでいます。これらの金融商品は、伝統的な金融と暗号資産分野の橋渡し役と見なされています。