あるクジラが2,500万ドルの利益から3,000万ドルの損失に転落した取引記録

作者：Sanqing，Foresight News

原題：100% 勝率の神話が終焉、 巨鯨 はいかにして自らを空にしたのか

11月5日、Hyperliquidで100%の勝率で14連勝を記録した匿名の巨鯨が強制的に全ポジションを清算され、アカウントは最大利益2,534万ドル超から純損失3,002万ドルに転落し、約140万ドルの証拠金しか残らなかった。この21日間にわたるトレードサイクルは、10月14日の正確なショートエントリーとその後のロング転換から始まり、10月28日に利益曲線の頂点に達した。その後わずか1週間で、レバレッジの集中、マーケットの調整、逆張りでの追加エントリーが連鎖し、今朝にはすべての利益と元本が蒸発した。

画像出典：Hyperbot

蓄積から頂点へ

2025年10月14日、アドレス0xc2a30212a8ddac9e123944d6e29faddce994e5f2の匿名巨鯨は、Hyperliquidで14回連続で利益を上げるトレードサイクルを開始した。

彼は5,255枚のETHを購入し、翌日にすべてを売却して2,200万USDCに換え、約5倍のレバレッジでBTCをショートした。わずか一晩で、10月16日8時にポジションをクローズし、260万ドルの利益を得た。これは彼の連勝の最初の取引であり、サイクル全体で最もクリーンな取引だった。

その後の1週間、彼はボラティリティの中で正確に方向を切り替えた。10月17日午前にロングへ転換し、2度の追加エントリーでポジションは2億2,200万ドルに拡大。10月22日未明の市場下落前に、約3億ドルのロングポジションを事前にクローズし、604万ドルの利益を得た。この取引は「反応が速い」とSNSで称賛され、彼の100%勝率の神話を確立した。

10月24日から28日は、彼のハイライト期間だった。連続してBTC、ETHを分割して追加購入し、レバレッジは8倍以内に抑え、ポジションは2億7,400万ドルから4億4,700万ドルに拡大。Hyperbotの損益曲線では、唯一完全な上昇のグリーンラインが描かれている——10月28日6時12分、アカウントの含み益は2,534.9万ドルに達した。

これは彼の損益曲線で最後の一方的な上昇だった。その後の1週間、リズムに微妙なズレが生じ始めた。

利確から執着へ

10月29日、巨鯨は利益が出ているポジションを先にクローズし、損失が出ているものは持ち続けた。午前4時の下落で、2億6,800万ドルのBTCロングをクローズし、利益は140万ドル、午後には1億6,300万ドルのETHロングをクローズし、利益は163万ドル、残ったのは含み損のSOLだけだった。

2日後、彼はSOLのポジションを1億500万ドルまで増やし、平均コストは198.3ドルとなった。10月30日未明、FRB議長Powellの発言で市場が一時的に下落すると、彼はBTCとETHを押し目買いし、同時にSOLのポジションも拡大した。その夜、3つの主要ポジションはすべて含み損となり、評価損は973万ドルに達した。

10月31日午前4時、損失は最大1,800万ドルを超え、市場の反発で含み損は縮小したが、巨鯨は損切りせずに回復を待ち続けた。11月3日午前8時には含み損が198万ドルまで縮小し、あと一歩で損益分岐点に戻れる状況だったが、彼はポジションを減らさなかった。わずか3時間後、市場は再び下落し、14連勝した巨鯨の4つのロングポジションは再びすべて含み損となった。

彼はあと一歩で全てを守り切れたはずだったが、待ちと迷いの中で主導権を市場に戻してしまった。

損切りから自己破壊へ

11月4日未明、彼の全勝記録は正式に終わりを迎えた。彼は2億5,800万ドル相当のBTC、ETH、SOLロングポジションを損切りし、1,565万ドルの損失を確定した。この数字は、過去20日間14連勝で得た1,583万ドルの利益とほぼ同じだった。この時点で、彼はまだ1億4,800万ドル相当のETH、SOL、HYPEのロングポジションを保有しており、含み損は1,886万ドル、清算価格まで残り8%の余地しかなかった。

その日のうちに相場はさらに下落。巨鯨は清算価格までわずか4%に迫った。アカウント残高はピークから4,040万ドル減少し、元本も利益もすべて失った。清算価格が急速に近づく中、理性的なトレーダーならここで手を引くはずだが、彼はETHが3,497ドル、SOLが159ドルの時点でさらにETH2,196枚、SOL78,724枚を追加購入した。清算ラインはさらに引き上げられ、ETHの清算価格は3,348ドル、SOLの清算価格は151.6ドルとなった。ETHは清算まであと130ドル、SOLはあと8ドルだった。

11月5日、すべてが終わった。午前5時ごろ、彼はすべてのポジションを強制的にクローズされ、アカウントには140万ドルの証拠金しか残らず、ほぼ全てを失った。こうして、21日間にわたるトレードは完全なゼロで幕を閉じた。14連勝で得た1,583万ドルの利益と2,876万ドルの元本、合計4,467万ドルが一度の損失ですべて消えた。

レバレッジと人間性の間で

Hyperliquidの取引記録では、ほぼすべての伝説が似たような形で終わっている：James Wynnは20倍レバレッジで12億ドルのBTCロングを保有し、ピーク時には8,700万ドルの利益を上げたが、最終的には2,177万ドルの損失に転落；qwatioは300万ドルの元本で無限にロールオーバーし、一時は2,600万ドルを稼いだが、最終的にはゼロになった；ベテラントレーダーのAguilaTradesは30万ドルの元本で最大4,170万ドルの利益を上げたが、最終的には3,760万ドルの損失となった。そして、「14連勝」で有名なこの匿名巨鯨も、わずか一夜で4,467万ドルを失った。

連勝はテクニックと運で可能だが、生き残るには常に自制が必要だ。すべての人が上昇曲線に酔いしれるその瞬間、結末はすでにレバレッジの下に書かれている。