Gemini 3はまだ登場していませんが、Twitterが先にクラッシュしました。
これほどまでに注目を集めたモデルのリリースは他にありません。Geminiがこれまで3か月ごとにアップデートされてきたことから、AIコミュニティは9月からGemini 3を心待ちにしていました。
本日、Googleのデベロッパーリレーションズ責任者、Google AI Studio責任者が「Gemini」という一言だけのツイートを投稿し、数か月にわたる期待がついに爆発点に達し、Twitter関連の話題が瞬く間に盛り上がりました。
興味深いことに、リリース直前にTwitterが「タイミングよく」何度かダウンしました。背後にいたのはCloudflareですが、このクラッシュのタイミングがあまりにも絶妙で、誰かが裏で仕組んだのではと疑いたくなるほどです（小声：結局Twitterは各社モデルの宣伝の主戦場ですから）。
今朝Grok 4.1をリリースしたばかりのElon Muskはどんな気持ちだったのでしょうか。とにかくネットユーザーのミーム画像が溢れかえっています。
そしてついに、Gemini 3が正式に登場しました。多くの注目を集める中、その実力を見てみましょう。
最もインテリジェントなモデル
事実、Googleは待ち望んでいた人々を失望させませんでした。Gemini 3が正式にリリースされ、再びSOTA（最先端）を定義し、AltmanやElon Muskも祝福のメッセージを送りました。
Googleはこれを「AGIへの重要な一歩」と定義し、現時点で世界で最もマルチモーダルな理解能力と深いインタラクションを持つエージェントであることを強調しています。
Gemini 3は、基礎的な推論能力でSOTA基準を更新しただけでなく、新しいGoogle AntigravityプラットフォームとDeep Thinkモードを導入することで、開発者エコシステムとAI支援体験の再構築を目指しています。
ランキングを総なめにする推論モンスター
Gemini 3 Proは公式に「最先端の推論モデル」と呼ばれ、ほぼすべての主要AIベンチマークで前世代のGemini 2.5 Proを大きく上回り、Claude Sonnet 4.5やGPT-5.1などの主要競合モデルを圧倒しています。
Gemini 3 Proは、1501 Eloという画期的な高得点でLMArena Leaderboardのトップに立ち、Humanity’s Last Exam（ツールを使わずに37.5%達成）やGPQA Diamond（91.9%）で最高得点を獲得し、博士レベルの推論能力を示しました。また、数学分野でも最先端モデルの新たな基準を打ち立て、MathArena Apexで23.4%という最新のSOTAレベルに到達しました。
テキストやロジックだけでなく、Gemini 3 Proはマルチモーダル推論の上限も再定義しました。MMMU-ProとVideo-MMMUでそれぞれ81%と87.6%の高得点を獲得し、複雑な科学グラフの解析や動的なビデオストリームの理解も難なくこなします。
さらに注目すべきは、SimpleQA Verifiedで72.1%の成績を収め、事実の正確性において大きな進歩を示したことです —— 強力であるだけでなく、信頼性も高いのです。
お世辞を言わない思考パートナー
Gemini 3 Proの進化はスコアだけでなく、インタラクションの質にも現れています。従来のAIによく見られる決まり文句や過度なお世辞を排除し、賢く、簡潔で、率直になりました：あなたが聞きたいことだけでなく、必要なことを伝えてくれます。
本当の思考パートナーとして、情報を理解し自己表現する新しい方法を提供します。難解な科学概念を高精度なビジュアルコードで翻訳したり、創造的なブレインストーミングを行ったりできます。
Gemini 3 Deep Think
Gemini 3 Deep Thinkモードは知能の限界をさらに拡張し、推論とマルチモーダル理解能力において大きな進歩をもたらし、より複雑な問題の解決を支援します。
テストでは、Gemini 3 Deep ThinkはHumanity's Last Exam（ツールを使わずに41.0%）やGPQA Diamond（93.8%）でGemini 3 Proの優れた成績をさらに上回りました。さらに、ARC-AGI-2（コード実行、ARC Prizeで検証済み）でも前例のない45.1%のスコアを記録し、新たな課題への対応力を示しました。
Gemini 3 Deep Thinkモードは、最も難易度の高いAIベンチマークでも優れたパフォーマンスを発揮しています。
学習、構築、計画
何でも学ぶ
Geminiは最初から、テキスト、画像、動画、音声、コードなど、あらゆるトピックのマルチモーダル情報をシームレスに統合することを目指していました。Gemini 3は、先進的な推論、ビジュアルおよび空間認識能力、トップクラスの多言語性能、100万トークン規模のコンテキストウィンドウを組み合わせ、マルチモーダル推論の限界をさらに拡張し、あなたに最適な方法で学習をサポートします。
例えば、家族の伝統料理の作り方を学びたい場合、Gemini 3は異なる言語で書かれた手書きレシピを解読・翻訳し、家族と共有できるレシピを生成できます。
また、新しいテーマを学びたい場合は、学術論文や長編ビデオ講義、チュートリアルを提供すれば、インタラクティブなフラッシュカードやビジュアル、他の形式のコードを生成し、知識の習得をサポートします。
さらに、あなたのピックルボール試合のビデオを分析し、改善点を見つけ出し、トレーニングプランを作成して総合的なスキルアップを支援することもできます。
ウェブ上の情報をよりよく理解できるよう、検索のAIモードでは現在Gemini 3を使った新しい生成型UI体験が提供されています。例えば、没入型のビジュアルレイアウト、インタラクティブなツールやシミュレーションなど、すべてがあなたのクエリに応じて即時生成されます。
何でも開発する
2.5 Proの成功を基に、Gemini 3は開発者のあらゆるアイデアを現実にするという約束を果たしました。ゼロショット生成で優れたパフォーマンスを発揮し、複雑なプロンプトや指示にも対応でき、よりリッチでインタラクティブなWebユーザーインターフェースをレンダリングできます。
Gemini 3はGoogle史上最高のVibeコーディングおよびAgentコーディングモデルであり、Googleのプロダクトをより自律的にし、開発者の生産性を大幅に向上させます。WebDev Arenaランキングでトップとなり、1487 Eloという注目すべきスコアを獲得しました。また、Terminal-Bench 2.0テストでも54.2%の成績を収め、このテストはモデルがターミナル操作でコンピュータのツールを使う能力を評価します。同時に、SWE-bench Verifiedテストでも2.5 Proバージョン（76.2%）を大幅に上回りました。このテストはコーディングエージェントの性能を測るものです。
現在、ユーザーはGoogle AI Studio、Vertex AI、Gemini CLI、そしてGoogleの新しいエージェント開発プラットフォームGoogle AntigravityでGemini 3を使って構築できます。Cursor、GitHub、JetBrains、Manus、Replitなどのサードパーティプラットフォームにも対応しています。
例えば、よりリッチなビジュアルと強力なインタラクションを持つレトロな3D宇宙船ゲームを作成できます。
さらに、よりリッチでインタラクティブなWeb UIやアプリケーションの作成も可能です：
何でも計画する
Gemini 2エージェント以降、Geminiは長期タスクにおける計画能力を大幅に向上させました。
Gemini 3の計画能力はVending-Bench 2テストでも証明されています。Gemini 3は自動販売機運営のシミュレーションテストでランキングトップとなり、長期計画で仮想ビジネス運営を管理しました。
年間運営の完全なシミュレーションでも、Gemini 3 Proは安定したツール呼び出しと一貫した意思決定を維持し、タスク目標に集中しながらより高い投資リターンを実現しました。
Gemini 3 Proは、他の最先端モデルと比較しても、より優れた長期計画能力を発揮し、より高いリターンを生み出します。
Gemini AgentはGmailの受信トレイの整理もサポートできます。
Gemini 3はすでに全面的に公開されています。本日より、一般ユーザーとサブスクライバーはそれぞれGemini Appおよび検索AIモードで新モデルを利用でき、開発者や企業顧客もAI Studio、Vertex AIなどのチャネルでアクセス可能です。期待されている「Deep Thinkモード」は、今後数週間以内にGoogle AI Ultraサブスクリプションユーザー限定でリリースされる予定です。
また、以前リークされたモデルカードによると、注目すべき重要な情報も多数あります：GoogleはTPUを使ってこのモデルをゼロからトレーニングし、MoE（Mixture of Experts）として設計、1M入力と64kトークン出力を持ち、MoEによりコストを抑えることが可能です。
価格面では、Gemini 3.0 Proはコンテキスト長に基づく段階的な価格設定を導入しています：200kトークン未満のタスクは入力/出力価格が$2.00/$12.00（100万トークンあたり）、200kトークン超はそれぞれ$4.00と$18.00です。
新しい「エージェントファースト」開発体験
Google AntigravityはGoogleの新しいエージェント開発プラットフォームで、開発者がより高次かつタスク指向のレベルで操作できるようにします。Gemini 3の先進的な推論、ツール利用、エージェントプログラミング能力を活用し、Google AntigravityはAI支援を開発者ツールボックスの一つから積極的なパートナーへと進化させます。
Google AntigravityのコアはおなじみのAI IDE（統合開発環境）体験ですが、エージェントは専用インターフェースに昇格し、エディタ、ターミナル、ブラウザへの直接アクセス権限を持っています。今やエージェントはあなたに代わって複雑なエンドツーエンドのソフトウェアタスクを自律的に計画・実行し、自らのコードを検証できます。
Gemini 3 Proに加え、Google AntigravityはGoogleの最新ブラウザ制御用Gemini 2.5 Computer Useモデルや、トップクラスの画像編集モデルNano Banana（Gemini 2.5 Image）とも密接に連携しています。
実際に体験してみた
Gemini 3 Proプレビュー版がAI Studioプラットフォームで公開されたので、実際に試してみました。
プロンプト : SVG of NEW YORK SKYLINE Use whatever libraries to get this done but make sure I can paste it all into a single HTML file and open it in Chrome.make it interesting and highly detail , shows details that no one expected go full creative and full beauty in one code block.
プロンプト: Create a visually stunning Space Invaders game.
ペリカンが自転車に乗るという課題は多くの大規模モデルを悩ませてきましたが、今回もGemini 3に試してもらいました。プロンプト：An animated SVG of a pelican riding a bicycle.
以前のバージョンと比べてGemini 3は大きく進歩していますが、まだバグもあります。例えば自転車のペダルが空中で回転しています。
さらに明確なプロンプトに変えてみました：Create a single, complete, self-contained animated SVG code (no external files or images) of a cute pelican riding a bicycle from a side view. 今回はGemini 3が生成した自転車にはペダルがないようです。
最後に
XのブロガーChubbyが実施した「2026年末までにどの会社が最高のLLMを持つか？」という投票で、Google Geminiが大きくリードしています。
この市場の信頼回復はデータにも表れています。Alphabet CEOのSundar Pichaiは公式ブログでGeminiの過去2年間の進展を振り返り、AI Overviewsの月間アクティブユーザーは20億人、Geminiアプリの月間アクティブユーザーは6.5億人を突破、さらにクラウド顧客の70%以上と1,300万人以上の開発者が生成モデルを利用していると述べました。
過去2年を振り返ると、Bard（Geminiの前身）リリース時の慌ただしい対応と株価暴落から、Google DeepMindの統合、創業者の呼び戻し、ノーベル賞受賞まで、Googleは教科書のような「大企業の転換」を成し遂げました。
かつてTransformerを定義し、今や「All in Gemini」となった巨人は、全面的な反撃の準備が整いました。
果たして「最高のLLM」論争を終結させることができるのでしょうか？焦らず、もう少し様子を見てみましょう（サーバーも含めて）。
