47日間で4400万ドルを稼いでから全財産を失うまで、マジ大哥の運命は「ギャンブラーの破産定理」によって決まった。

ランダムウォーク、吸収壁、そして負のドリフト。

執筆：孤独大脳

この敗北の本質を理解するには、三つの概念を知る必要があります：ランダムウォーク、吸収壁、そして負のドリフト。

① ランダムウォーク

酔っ払いが一直線上を歩いていると想像してください。彼はコインを投げ、表が出れば一歩前進（利益）、裏が出れば一歩後退（損失）します。

麻吉大哥の経験は、本質的にはこの酔っ払いの歩みと同じです。短期的には、連続して表が出て前進し、資産が6000万まで急増することもあります。しかし、これは彼が特別優れているからではなく、単なる運に過ぎません。

② 吸収壁

酔っ払いが歩くこの道には、両側に非対称な壁があります。

左側は高い壁（マーケットメーカー／市場）：市場の総資金によって構成されています。個人にとっては、ほぼ無限に遠い存在です。市場の全ての資金を勝ち取って「市場を破産」させることは不可能です。

右側は崖（あなた自身）：これはあなたの元本がゼロになるポイントです。麻吉大哥にとって、このポイントは有限です。

ゲームが続く限り、酔っ払いは連続して後退する確率が常にあります。一度崖（資産ゼロ）に到達すれば、落ちてしまいます。落ちるということは「吸収される」ことを意味し――ゲームオーバー、もう一度やり直すチャンスはありません。 

相手（市場）は無限で、あなたは有限です。時間が十分に長ければ、あなたは100%崖から落ちます。

これが「ギャンブラーの破産定理」です。

③ 負のドリフト

もし単なるコイントス（勝率50%）だけなら、酔っ払いが落ちるまでにはかなり時間がかかるかもしれません。しかし、カジノや暗号資産のデリバティブ取引には手数料やスリッページがあり、まるで崖のそばで強風が吹いていて、常に酔っ払いを崖の方向へ押しやるようなものです。これが負のドリフトです。

負のドリフト下では、数学的期待値はマイナスになります。麻吉大哥は今回、資金手数料だけで数十万ドルを支払いました。

では、彼の口座が9月18日に4484万ドルの含み益だったのに、なぜ手を引かなかったのか？なぜ元本をすべて失ったのか？理由は以下の通りです：

a、レバレッジをかける。レバレッジは、遠くにある「崖」を目の前に引き寄せます――逆方向に4%動くだけ（25倍レバレッジ）で落ちてしまいます。

b、マーチンゲール戦略。有限の「弾丸」でポジションをナンピンし続けて（倍賭け法）、無限の市場下落に対抗しようとすることは、必ず資金繰りの断裂を招き、吸収壁に激突して終わります。

c、心理的アカウント。なぜ大きく儲けた時に利益確定しないのか？ギャンブラー心理では、その4400万は「カジノのお金」であり、失っても惜しくないからです。

麻吉大哥は「楽しければそれでいい」と言いましたが、これは富裕なギャンブラーの気楽さであり、普通の人は真似しないでください。

以下は三つの人生アルゴリズムです：

一、「正の期待値」に参加する

デリバティブ取引やギャンブルは負の期待値のゲームなので、手を出さないこと。刺激を買うためなら別ですが。

「まともな」インデックスに積立投資し、EV>0の優良資産を保有し、時間の味方になること。

段永平は、普通の人はS&P500に積立投資すれば儲かると言っています。なぜならこの市場は「正のドリフト」だからです。

二、「吸収壁」から遠ざかる

生き残ることが第一です。レバレッジを避け、ボラティリティで崖から落ちないようにしましょう。

三、「ストップライン」を設定する

投機家は、利益が出たら現金化し、損失が出たら損切りすること。そうしないとギャンブラーの破産定理通り、最終的にゼロになります。

一方、バリュー投資家は、失っても構わない余剰資金で、正のドリフトを待つべきです。