イーサリアムが今年2回目となる主要アップグレード「Fusaka（フサカ）」を実施し、大幅なデータ処理能力の向上、取引コストの削減、ユーザビリティの改善が進んだ。

Fusakaは水曜日のUTC午後9時49分、エポック411392においてイーサリアムのメインネット上で正式に稼働した。最大の目玉機能は「Peer Data Availability Sampling（PeerDAS）」であり、イーサリアムおよびレイヤー2に大きなスケーリング能力をもたらすものとされる。

今週初め、イーサリアム財団は 公式Xアカウント で、今回のアップグレードがユーザー、開発者、ノード運用者、レイヤー2およびロールアップ、エンタープライズに与える影響を詳細に説明したスレッドを投稿した。

イーサリアム財団は、Fusakaがイーサリアムを「ほぼ即時の取引」を実現する段階へさらに近づけると述べ、速度向上によりユーザー体験が一段と滑らかになると強調した。

「Fusakaは『即時性を実感できる』ユーザー体験の基盤を築く。事前承認によって取引遅延は分単位からミリ秒単位へ短縮され、取引コストの低下と組み合わさることで、新たな次元の使いやすさが開かれる」

レイヤー2およびロールアップに関して、FusakaはPeerDASにより「最大8倍のデータスループット」を解放すると財団は説明した。これはネットワーク上の情報処理方法を大幅に効率化するものだ。

PeerDASはロールアップによるデータ（ブロブ）全体を小さなセルに分割する。この仕組みにより、ノードはダウンロード・アップロードすべきデータ量が大幅に減少し、より高速に処理できるようになる。その結果、レイヤー2はイーサリアムのメインネットとより効率的に連携できるようになる。

「ロールアップにとって、これはブロブ手数料の低減と成長余地の拡大を意味する（ユーザーの手数料も下がる）。同時にネットワークの分散性も維持される」と財団は述べている。

アナリスト「FusakaはETH復活の起爆剤になり得る」

Fusakaが提供する多くの内部的改善を踏まえ、市場はイーサリアム（ETH）価格への影響を注視している。

日曜日、MerlijnTrader氏は X投稿 で、前回の大型アップグレード「Pectra（ペクトラ）」がETH価格に与えた影響を指摘し、今回はそれ以上になる可能性を示唆した。

「Pectraは価格を58%押し上げた。Fusakaはさらに強い跳ね上がりに向けて設計されている。価格はファンダメンタルに遅れて反応するが、それも長くは続かない」

11月29日には、ビットコインの古参投資家として知られる@LLuciano_BTC氏が 同様の見解を示した 。

「Fusakaはさらに大きく感じられる。本物の上昇を引き起こすタイプのカタリストだ。イーサリアムは、設計思想を維持したままスケーリングがどこまで可能かをついに示した」

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