Ereborが暗号資産銀行業務のための条件付きOCCチャーターを取得

Ereborは、全国銀行免許の予備的条件付き承認を取得し、イノベーション経済をターゲットとし、暗号資産およびAIスタートアップの基盤となることを目指しています。

10月15日付のプレスリリースによると、通貨監督庁（OCC）はErebor Bankに対し、全国銀行免許の予備的条件付き承認を付与しました。

Comptroller Jonathan V. Gouldは声明の中で、Ereborが自身の就任以降初めてこのような承認を受けた新設銀行であると述べ、この決定を「ダイナミックで多様な連邦銀行システム」への取り組みの礎と位置付けました。

Gouldはさらに、この動きはOCCがデジタル資産活動に従事する銀行に対して「一律の障壁」を設けないことを示しているとし、「安全かつ健全な方法」で運営されることを条件としました。

「他の法的に認められた銀行業務と同様に、許容されるデジタル資産活動も安全かつ健全な方法で実施されるのであれば、連邦銀行システム内に存在するべきです。OCCは、強固で多様な金融システムを維持し、時代とともに関連性を保つために、金融サービスへの革新的アプローチの道を引き続き提供していきます」とGouldは述べました。

新たなタイプの全国銀行が形成される

2025年にテック起業家のPalmer LuckeyとJoe Lonsdaleによって設立されたEreborは、Founders Fund、Haun Ventures、Peter Thielからの支援を受けています。同社のOCC提出書類によれば、掲げるミッションは「米国のイノベーション経済」に貢献することであり、デジタル資産、人工知能、防衛、先端製造分野の企業をターゲットとしています。

Ereborは本社をオハイオ州コロンバスに、支店をニューヨーク市に設置する予定であり、米国中西部の銀行インフラと金融の中心地の交差点に位置付けられます。

特筆すべきは、Ereborのモデルが従来とは異なり、特定の暗号資産を自社のバランスシート上に直接保有する意向を表明している点であり、決済プロセッサー、ベンチャー支援スタートアップ、トレーディング企業にも銀行サービスを提供します。

最終承認を受ければ、Ereborは連邦銀行システムに属する1,000以上の機関の仲間入りを果たします。このネットワークは、合計16兆ドル以上の資産を保有し、約85兆ドルのカストディおよび信託管理を行う巨大な金融集団です。Ereborの参入は象徴的なものであり、この膨大な機関投資家資本がデジタル資産分野とどのように関わるかに変化をもたらす可能性を示しています。