3.45億のステーキングされたDOTが解放、PolkadotはDeFiトップ10に食い込めるか？

Polkadotがセキュリティ支出を削減した後、どのような変化が起こるのでしょうか？

皆さんはすでにPolkaWorldが昨日発表した記事——Gavin Woodが7月16日にベルリンのWeb3 Summitで提案した重要な方向性——をご覧になったかもしれません。彼は現状のPolkadotネットワークのセキュリティコストが高すぎると考え、年間約5億ドルから9,000万ドルへとセキュリティ支出を最大82%削減したいと述べました。

ネットワークセキュリティコストとは何か？つまり、PolkadotはNPoSメカニズムの下で、毎年インフレによって発行されるDOTの85%をバリデーターとノミネーターに報酬として与えています！Gavinはこの報酬が現状では高すぎると考え、削減する必要があるとしています！

現在、この提案は今月末に提出される可能性があると聞いています。もしこの提案が実施された場合、Polkadotのステーキングメカニズム、DeFiエコシステム、トレジャリーメカニズムにはどのような大きな変化がもたらされるのでしょうか？本日は簡単に分析してみましょう！

ステーキング面：Polkadotは簡単に世界のDeFi TVLトップ10入り？

Polkadotの現在の高いステーキング率は、高価なセキュリティモデルを支えるためのものです。つまり、Nominate Proof-of-Stake（NPoS）メカニズムは、ネットワークの安全を維持し攻撃に耐えるために大量の資金がステーキングにロックされることに依存しています。

GavinはWeb3 Summitで、ネットワークのセキュリティ支出を5億ドルから9,000万ドルに削減することを提案しました。彼が挙げた対策から見ると、今後のセキュリティメカニズムは高額なステーキングだけに依存しなくなる可能性があります。

これらの対策の本質は、「多くステーキングすればするほど安全」という仮定を成立しなくすることです。例えば：

• 各バリデーターの報酬を固定し、ステーキング量に応じて分配しない；
• バリデーターにKYCや面接を実施；
• より精緻なスラッシングメカニズムとPoP（Proof of Personhood）アイデンティティ制約を組み合わせる；
• インセンティブ構造を変更し、中間プールを設けて報酬を調整する
• インフレ率を下げ、総発行量31.4億DOTの固定発行メカニズムを採用
• ステーキング者に法定通貨での固定リターンを設定（例：100万ドルをステーキングした場合、年利3%）
• など

このような結果として：

• ステーキング報酬が減少し、大量のDOTがステーキングに流入しなくなる
• DOTが解放され、DeFi、ガバナンス、リキッドステーキングなど他の用途に使われる
• ステーキング率は現在の52%からより合理的な割合に下がる可能性がある
• しかし、ネットワークはより高いバリデーター基準やPoPアイデンティティメカニズムによって安全性を維持できる

したがって、セキュリティ支出モデルが「大量の資本をロックして安全を確保」から「より賢く安全を確保」へと変われば、52.25%のDOT総量をステーキング（セキュリティ保護）に使う必要はなくなります。

では、ここで簡単な計算をしてみましょう。

現在、Polkadotのステーキング率は52.25%で、約8.09億DOTがステーキングにロックされています。仮にステーキング率が52%から30%に下がった場合、これは現在のEthereumのステーキング比率（約29.5%）に近いです。

これにより最大3.45億DOTのオンチェーン流動性が解放されます。

もしこれらのDOTがすべてPolkadotのDeFiに流入したらどうなるでしょうか？

DOTを1枚10ドルと仮定すると、PolkadotのDeFi TVLは簡単に30億ドル以上に達します！

これによりPolkadotは世界のDeFi TVLトップ10に直接押し上げられ、新たな成長のフライホイールが始動します。

Polkadotがステーキング資本の解放とDeFi流動性の活性化によって世界のDeFi TVLトップ10入りを果たせば、少なくとも5つの影響がもたらされます：

1. 資本の注目度が急増

トップ10入りは、PolkadotのDeFiエコシステムが初めて機関投資家、アナリスト、格付け機関、主流メディアのレーダーに入ることを意味します。これにより：

• より多くのファンドがDOTおよびそのDeFiプロトコルを組み入れる
• より多くの取引所がDOTデリバティブ（担保、レンディング、レバレッジなど）を上場
• 投資家の信頼が高まり、TVLの成長が正のフィードバックループに入る

2. エコシステム開発者とプロジェクトの流入

開発者はユーザーが多く、TVLが高く、資金が豊富なエコシステムを好みます。Polkadot DeFiが主流ランキングに入れば：

• より多くのDEX、ステーブルコイン、レンディングプロトコルがPolkadot Hubなどのコアチェーンにデプロイされる
• 開発者がEthereumやSolanaなどから移行またはクロスチェーン展開し、チェーンの多様性が向上

3. DOTのオンチェーン実用性と需要の強化

DeFiはDOTの実用性爆発の起点です。TVLの増加はDOTが：

• より広範にLP資産、担保、リキッドステーキング資産として利用される
• DOTがオンチェーンで担保、ガバナンス、交換メディアとしての経済的役割を強化
• DOTの価値と長期的なネットワークセキュリティのサポートに有利

4. エコシステムの評価と資金調達能力の向上

TVLはWeb3プロジェクトの資金調達時の重要な評価指標です。Polkadot DeFiが台頭すれば：

• パラチェーンやdAppプロジェクトの資金調達が容易になり、評価額も高くなる
• 外部VC、ファンド、RWAプロジェクトがPolkadotで新製品を開始する意欲が高まる
• エコシステム全体が「構築期」から「資本乗数期」へと移行

5. Narrative（ナラティブ）の再構築

「DOTは技術は良いが誰も使っていない？」というナラティブは完全に変わります：

• Polkadotは「インフラナラティブ」から「TVLナラティブ」へ移行
• DeFiナラティブの中で重要な変数となる：より安全なクロスチェーン、高性能な実行環境（PolkaVM、JAM）、弾力的なスケーラビリティ

まとめると、TVLはDOTが「ステーキング時代」から「利用可能資産時代」へと移行するための重要なステップです。そしてトップ10入りは、ナラティブ、資本、開発者という三つのハードルを開く鍵となります。

トレジャリー資金が大幅減少！トレジャリー資金の使用は効率的・抑制的・精密化へ 

では、トレジャリー資金にはどのような影響があるのでしょうか？

Gavinが提案した改革案にはもう一つ大きな影響があります——Polkadotのトレジャリー収入が大幅に減少します。

現在の85%のインフレをステーキング者に、15%をトレジャリーにという資金配分を維持した場合：

• セキュリティ支出が5億ドルから9,000万ドルに減少
• トレジャリーの年間収入は約1,588万ドルに減少

DOT1枚5ドルで計算すると、毎年わずか317万DOTがトレジャリーに入ることになります。

比較するとその減少幅がわかります——今年6月だけでトレジャリーは2,824万ドルを支出しており、すでにこの数字を大きく上回っています！

この傾向を踏まえ、私たちは最近のライブ配信や記事で繰り返しPolkadotコミュニティが「低予算時代」に早急に適応する必要があると呼びかけています。

そのため、DVとしてPolkaWorldは先週、投票方針を更新しました：

1. セキュリティ支出が5億ドルから9,000万ドルに減少するのは明確なシグナルです！トレジャリー資金は大幅に減少するため、早期に適応しなければなりません。したがって、トレジャリーのコアミッションに再フォーカスします：

• 「不可欠」な提案のみを資金援助
• 代替不可能な公共財を優先的に支援
• 「あってもなくてもよい」または純粋なプロモーション提案は明確に拒否

今後、すべての資金リクエストはこの観点から必要性を証明する必要があります。

2. 最近、SDKや開発ツール系の提案が多く見られ、ユーザー体験の最適化を謳っています。しかし現実には、多くのツールがほとんど使われていません。トレジャリーは「役立つかもしれないが実際には使われていない」ツールに資金を提供すべきではありません。

私たちの立場は：

SDKやUXツール系の提案＝事後資金援助（retroactive funding）のみを支持

まずは作り上げる。

実際のユーザーがいる。

その後、データを提出して資金援助を申請する。

これによりトレジャリー資金を守り、本当に影響力のあるビルダーに報いることができます。

3. 報酬補助について：

「メンテナンス」≠「開発」と考え、区別すべきです：

• 開発系作業：上限100ドル/時
• メンテナンス系作業：上限30ドル/時

この基準を超える場合、私たちは反対票（NAY）を投じます。（今後さらに上限を引き下げる可能性もあります。）

4. 私たちの最終目標は？

Polkadotの長期的な持続可能性を確保し、エコシステムのミッションに本当に合致するクリエイターを支援することです。

「反対票」を投じるのは特定のチームに対するものではなく、より良いものを作り、このエコシステムの本当のニーズに応えてほしいという招待です。

共に、より良いPolkadotを築きましょう！

これは深い改革の始まり

もしGavinのセキュリティ支出改革が実現すれば、私たちはPolkadotの新たなエコシステムアップグレードとガバナンス最適化のスタート地点に立っています：

• DeFiがDOTの新たな爆発のエンジンとなる可能性
• トレジャリーガバナンスは効率的・抑制的・精密化へ
• Polkadotはより賢く資金を使い、本当のエコシステムクリエイターをより正確に支援する必要がある

この一連の改革をどう思いますか？

DOTの解放がPolkadotのエコシステム構造をどのように再構築すると考えますか？

ぜひコメントで一緒に議論しましょう！